2012年6月アーカイブ

「社会保障と税の一体改革」の三党合意において、厚生年金適用拡大の対象者(パート社員)が、当初案の「月収7.8万円以上」から「月収8.8万円以上」に修正され、規模が縮小されたことがわかりました。新規に加入対象となる人は当初案の45万人から25万人程度に減る見込みで、2015年10月から実施の予定です。

厚生労働省は、障害者雇用促進法の対象者を拡大し、新たに精神障害者の採用を企業に義務付ける方針を固めました。障害者の社会進出をさらに促すのがねらいで、精神障害者の位置付けは「精神障害者保健福祉手帳を持つ者」とする案が有力となっている。来年の通常国会に改正法案を提出する考えです。

最近の労働関係の地裁裁判例

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●自動車メーカーによる雇止め等(4月16日判決)
自動車メーカーが行った雇止めや派遣切りは無効であるとして、工場で働いていた元期間従業員(4人)と元派遣社員(3人)が雇用継続の確認を求めていましたが、東京地裁はこれらの請求を棄却しました。ただし、元期間従業員がカットされた未払い賃金(1人約58万~63万円)の支払いは命じました。
自動車メーカーでは、契約打切りに応じなかった期間従業員に「契約期間終了までの休業」と「約4割の賃金カット」を2008年12月に言い渡して翌年4月で雇止めとし、派遣社員は派遣元から2008年12月に解雇されていました。
裁判長は「不況に伴う雇止め・派遣切りは合理的である」と判断しました。

●銀行におけるパワハラ(4月19日判決)
パワハラ被害により退職せざるを得なくなったとして、50代の社員が銀行と上司に対して損害賠償(約4,900万円)を求めていましたが、岡山地裁は社員の精神的苦痛を認め、慰謝料など110万円の支払いを命じました。
2007年3月頃、仕事上でミスをした社員に対して「辞めてしまえ!」などと当時の上司が強い言動で叱責するなどし、この社員は2009年に辞表を提出して退職しました。
裁判官は「上司の叱責は病気療養から復帰直後の社員にとって精神的に厳しく、パワハラに該当する」と認定しました。

●過労による高校教諭の死亡(4月23日判決)
高校教諭の男性が修学旅行の引率からの帰宅途中に急性心筋梗塞を発症して死亡したのは過労が原因であるにもかかわらず、公務災害と認定されなかったとして、遺族である妻が「地方公務員災害補償基金」に対して不認定処分の取消しを求めていましたが、東京地裁は公務と死亡との因果関係を認め、上記処分を取り消しました。
裁判長は、死亡するまでの1週間の間の労働時間が法定の2.5倍以上に及んでいたと認定し、「日常の勤務と比べて質・量ともに特に過重だった」と判断しました。

6月5日に厚生労働省が発表した人口動態統計で、2011年の合計特殊出生率が前年と同じ1・39と前年度と同様横ばいであることが明らかになりました。
合計特殊出生率とは女性1人が生涯に産む子どもの平均の人数で、2・07が人口を維持するための基準とされます。少しずつも上昇傾向が続いていましたが、2011年は横ばいとなりました。

厚生労働省は、2011年度に全国の総合労働相談コーナーに寄せられた労働相談件数が110万9,454件(前年度比1.8%減)で、そのうち「個別労働紛争解決制度」に基づくものは25万6,343件(同3.8%増)で過去最多となったと発表しました。

相談内容は、「解雇」(18.9%)、「いじめ・嫌がらせ」(15.1%)が上位を占めたそうです。

【厚生労働省HP】
 平成23年度個別労働紛争解決制度施行状況
 ~民事上の個別労働紛争相談件数、助言・指導申出件数が過去最高~
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002bko3.html