2012年12月アーカイブ

 公益財団法人日本生産性本部の「メンタル・ヘルス研究所」は、全国の上場企業(2,140社)を対象に実施した「メンタルヘルスの取組み」に関するアンケートの調査結果を発表しました。

  この調査で、最近3年間における心の病が「増加傾向」と回答した企業は37.6%で、前回調査(2010年)の44.6%から減少し、「横ばい」と回答した企業は51.4%で、前回調査の45.4%から増加したことがわかりました。
メンタルヘルスへの企業の取組みが成果をあげている一方で、依然として企業は「心の病」を有する従業員を数多く抱えています。
 今回の調査では、これまで最も「心の病」が多い年齢層であった「30代」の割合が58.2%から34.9%に減少する一方、40代の割合が22.3%から36.2%に増加しています。

 不調者の「早期発見・早期対応」(二次予防)は企業が最も力を入れ、期待もしている取組みであり、管理職のメンタルヘルス対応としても最も期待が高いものです。
 これらの効果が出ている(「十分効果が出ている」と「まずまず効果が出ている」の合計)企業は51.4%でした。「あまり効果が出ていない」「効果が感じられない」「どちらともいえない」を合わせると47.2%で、半数近くの企業では十分な効果を感じていないようです。
また、最近の「職場や働き方の変化」に関する質問では、次の3つが上位を占めました。 

(1)職場に人を育てる余裕がなくなってきている(76.1%)

(2)管理職の目が一人一人に届きにくくなってきている(69.7%)

(3)仕事の全体像や意味を考える余裕が職場になくなってきている(68.3%)

組織のタテ・ヨコの結束性や、組織の継続性に大きな影響を与えうる変化が多くの企業で起きているようです。

健康でイキイキした職場づくりのため、メンタルヘルスに関する企業努力を継続していくことが非常に重要だと言えそうです。

年末年始休暇のお知らせ

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弊所では下記の期間を年末年始休暇とさせていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願い致します。 

休暇期間 平成24年12月29日(土)~平成25年1月6日(日)

       1月7日(月)より平常どおり営業いたします。

NTTグループは、希望者全員の雇用延長を企業に義務付ける「高年齢者雇用安定法」改正に伴い、社員を65歳まで継続して雇用することを見据え、40~50歳代を中心とした現役世代の賃金上昇率を抑えるための新賃金制度を2013年秋から導入することで労使合意したと発表しました。
厚生労働省が「出生児縦断調査」の結果を発表し、働く女性の約2人に1人(54%)は、第1子の出産前後に仕事を辞めていることが明らかになりました。
2001年の調査(67%)と比較すると働き続ける人の割合は増えましたが、仕事と育児の両立は依然として難しい状況です。

厚生労働省HP 『第1回21世紀出生児縦断調査(平成22年出生児)の概況』
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shusshoujib/01/

雇用保険料率は1%に据え置き

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厚生労働省は、2013年度における雇用保険料率を今年度と同じ1.0%(労使折半)に据え置くことを発表しました。
雇用情勢は厳しいものの財政収支に余裕があるため、引上げは必要ないと判断されました。

 〔厚生労働省HP〕
 平成25年度雇用保険料率の告示案要綱を了承
 ~平成24年度の料率を据え置き~
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qvp9.html

札幌市産業振興センターの中小企業経営セミナーで、弊所代表本間が講演致します。

「経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス」

日時:平成25年2月6日(水) 9:30~16:30 (内12:00~13:00休憩)

場所:札幌市産業振興センター2階セミナールームC (札幌市白石区東札幌5条1丁目1-1)

受講料:5,000円(「さぽーとさっぽろ」会員の受講者は1名につき1,000円の割引)

※詳細は以下のHPをごらんください。
http://seminar.sapporosansin.jp/seminarinfo.php?cd=1018

【お申込み・お問合わせは】
札幌市産業振興センターセミナー係 011-820-3122
オンライン申し込み:http://seminar.sapporosansin.jp/seminarinfo.php?cd=1018

厚生労働省は、11月2日に「厚生年金基金制度に関する専門委員会」の第1回会合を開き、「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」を示しました。
同省では、この試案をベースとして、「厚生年金基金制度改革」を行いたい意向であり、今後の動向が注目されます。

上記委員会で示された厚生年金基金制度(以下、「基金」)の見直しに関する「試案」の主な内容は、次の通りです。

(1)特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応

基金の「代行割れ問題」については、従来は「特例解散制度」により、分割納付の特例や厚生年金本体への納付額の特例が設けられてきました(時限措置)。しかし、母体企業の負担能力が著しく低下している基金では、特例措置を用いても解散できない状況です。

そこで、現行の特例解散制度の基本的な考え方・枠組みを維持しつつ、一定の見直しを行うとしています。見直し後の特例解散制度は5年間の時限措置とするようです。

(2)企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進

日本の経済基調が低成長に変化し、金融市場の変動幅が拡大する中、持続可能な企業年金を普及させるため、企業年金の選択肢の多様化を進めるとしています。

また、中小企業の企業年金を維持する観点から、基金から他の企業年金への移行を支援するための特例措置を設けるとしています。

(3)代行制度の見直し

代行部分の債務(最低責任準備金)の計算方法について、有識者の指摘等を踏まえ、厚生年金本体との財政中立の範囲内で適正化を図り、代行制度の今後の持続可能性に関する検証や厚生年金本体の財政に与える影響等を踏まえ、10 年間の移行期間を置いたうえで、代行制度を段階的に縮小・廃止していくとしています。

また、移行期間中の制度運営にあたって、解散認可基準等の見直しも行うようです。

 AIJ問題に端を発した厚生年金基金の問題ですが、今後、改革に向けた動きが加速していく可能性もあり、厚生労働省では、関連法律の改正案を来年の通常国会に提出する予定です。

最近の労働裁判事例

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~たばこの煙で安全配慮義務違反?~

仕事中の受動喫煙が原因で病気になったとして、岩手県の職員男性が同県に対して損害賠償(約890万円)などを求めて訴訟を起こしていましたが、盛岡地裁は請求を棄却しました(10月5日判決)。

この男性は2008年1月ごろ公用車を運転した際、車内におけるたばこの煙が原因となって、鼻の痛みや呼吸困難が発生し、同年4月に「化学物質過敏症」と診断され、その後、2009年7月までの約1年間休職となりました。

裁判では、県が「公用車の少なくとも1台を禁煙車にしなかったこと」が、安全配慮義務違反となるかどうかが争点だったようですが、裁判長は「男性が呼吸困難を発症した2008年当時、残留たばこ煙にさらされないようにすべきだとの認識は一般的ではなかった」とし、安全配慮義務違反には該当しないと判断しました。

 

~エンジニアの死亡は過労によるものか?~

システム開発会社(本社:東京都)のエンジニアだった女性が死亡した原因は過労にあったとして、女性の両親が元勤務先に対して損害賠償(約8,200万円)を求めていましたが、福岡地裁は過労死と認め、約6,820万円を支払うよう命じました(10月11日判決)。

この女性は1998年に入社して福岡事業所に勤務し、2006年からシステム改修のプロジェクトに携わり、午前9時から翌日の午前5時まで働くこともあったそうです。2007年3月に自殺を図った後に職場復帰をしましたが、同年4月、出張先のホテルで致死性不整脈のため死亡しました。

裁判長は、2007年2月の時間外労働時間が127時間を超え、プログラム完成などの精神的緊張もあったとして、死亡と業務との因果関係を認めました。

 

~契約更新拒否は解雇権の濫用か?~

空調機器会社(大阪市)の元期間従業員4人が、有期雇用契約に上限を定めて契約更新を拒否されたのは解雇権の濫用であるとして、元勤務先に対して地位確認などを求めていましたが、大阪地裁はこの請求を棄却しました(11月1日判決)。

当初、4人は請負社員として勤務(6~18年間)していました。大阪労働局が2007年12月に「偽装請負」であるとして是正指導を行い、会社は2008年3月に4人を正社員として雇用(期限付き)しましたが、2010年8月末以降の契約を更新しませんでした。

裁判長は「解雇の手続きを踏まずに期間満了によって契約が終了する点に着目して有期雇用契約を申し込んだにすぎず、解雇権濫用とはいえない」と判断しました。

 

中退共の退職金 減額へ

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厚生労働省は、中小企業退職金共済制度(中退共)が、運用難で深刻な積立て不足に陥っていることから、退職金の減額について検討を始めました。
今年度中に、予定運用利回りの引下げと対処策、付加退職金の減額など、具体策について結論を出す方針とのことです。

中退共については加入されている企業様も多いと思いますが、減額後の退職金等が発表されたら忘れずに確認する必要がありそうですね。