2014年2月アーカイブ

◆行政の監督方針への影響も

次期通常国会では、安全衛生分野の法改正がありそうです。

このほど今後の労働安全衛生対策に関する報告書がまとまり、厚生労働省では、これから法案の作成に取り掛かるということです。報告書の中で取り上げられている事項は、行政の指導監督方針にも反映され、是正指導・勧告の内容にも変化があると思われます。

日頃の労務管理の見直しと併せて、法案の行方にも注視しておく必要がありそうです。


◆労働安全衛生法の改正事項(予定)

改正内容としては、以下の内容が取り上げられています。

(1)化学物質管理のあり方

(2)企業単位で安全・健康に対する意識変革を促進する仕組み

(3)欠陥のある機械等の回収・改善対策の強化

(4)第三者に施設等を使用させる管理者の安全衛生管理の充実

(5)企業における安全衛生管理体制の適正化(第三次産業の安全衛生管理体制の適正化)

(6)規制・届出の見直し

(7)職場におけるメンタルヘルス対策

(8)職場における受動喫煙防止対策

(9)型式検定等の対象器具の追加


◆影響が大きいと思われる事項

ここでは、次のものが、影響が大きいと思われます。

(2)企業単位で安全・健康に対する意識変革を促進する仕組み

重大な労災を繰り返す企業に対し改善計画の作成等が指示され、従わない場合は必要な勧告を行うことや企業名を公表する制度の創設が検討されています。

(4)第三者に施設等を使用させる管理者の安全衛生管理の充実

トラック運送業などにおいて、荷役作業中の労災発生が多いことを受け、荷役作業を行う施設を管理する荷主等にも取組みが必要であるとしています。

(5)企業における安全衛生管理体制の適正化

第三次産業(小売業、社会福祉施設等)の安全衛生管理体制の適正化が内容となっています。

また、廃案となった前回の法案に盛り込まれていた(7)も気になるところです。

(7)職場におけるメンタルヘルス対策

前回法案では、メンタルヘルス不調の予防のため、労働者のストレスチェック、申出をした者に対する医師の面接指導の実施を事業者に義務付ける内容でした。この前回の内容を踏まえつつ、各事業場の取組みも勘案し、制度化するとしています。

◆「割増率50%以上」中小企業へ適用拡大か?

厚生労働省の調査で、月60時間超の法定時間外労働に対し、割増賃金率を「25%超」としている中小企業は1割強と少なく、さらにこのうち「50%超」としていた割合は1割に満たなかったことが明らかになりました。

大企業については、平成22年の労働基準法改正により、月60時間超の時間外労働に対する割増率を50%以上にしなければならなくなりましたが、中小企業については、現在この規定の適用が猶予されています。

厚生労働省では、今回の調査結果を踏まえて中小企業への適用拡大について検討を進める考えです。


◆「三六協定」のチェックポイント

時間外労働・休日労働に関する協定届(三六協定)を労働基準監督署に届け出ると、延長時間数の範囲内であれば、会社は1日8時間、週40時間を超えて時間外労働を命じることができます。

なお、三六協定とは別に、就業規則や個別の雇用契約書等に時間外労働・休日労働(所定時間外労働含む)の根拠規定を置いておくことは必要です。

三六協定に関する代表的なチェックポイントは、次の通りです。

・一定の規模があり、労務管理上、独立性があるような支社等は、別に三六協定が必要である。

・管理監督者、病欠、休職中の社員などの在籍するすべての労働者(事業場の代表者を除く)が、「労働者の過半数を代表する者」の選出に関する母数に含まれる。

・労働者の過半数代表として労働組合を締結主体とする場合、事業場ごとに、過半数以上を組織しているか(非正規労働者を当該労働組合が組織化していない場合は特に注意)。

・従業員過半数代表は、事業場ごとの投票、挙手、持ち回り決議など民主的な方法で選出する。

・特別条項が活用できるのは、1年間あたり6回以内。

・特別条項の「具体的事由」は具体的に明記する。


◆行政指導や労災認定リスクにも

三六協定の締結・届出は、毎年の業務のため流れで行ってしまいがちですが、慎重に確認しながら進めないと、行政指導を受けたり、万が一社員が過労により死傷したような場合には労災認定されて会社の義務違反が問われたりすることにつながりかねません。

上記に挙げたもの以外にもチェックすべきポイントはありますので、今一度、確認が必要です。

育休代替要員確保支援、大企業にも

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政府は、「両立支援等助成金」を見直し、これまで中小企業に限って人材派遣などで育休代替要員を確保した場合に経費助成していたものを、大企業も対象とすることに。

中小企業向けの助成も、支給額の引上げや支給期間の延長(5年→10年)等、使い勝手の悪さを見直す方針です。

財務省は、2014年度における国民負担率(国民所得に占める税と社会保障の負担割合)が41.6%(前年度比1.0ポイント上昇)で過去最高となるとの見通しを明らかにしました。

4月からの消費税率の引上げにより、年金保険料も上がることによるものです。