2014年3月アーカイブ

◆昨年末に特例法が成立、施行

昨年4月1日より改正労働契約法が施行され、いわゆる「無期転換ルール」が導入されました。

これにより、同一の使用者の下、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、労働者に「無期転換申込権」が発生することとなりましたが、パートタイマー等の有期契約労働者を無期雇用へと転換する動きもみられるなど、改正への対応が企業において進められていました。

ところが、昨年12月6日の参議院本会議で「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律案」が可決・成立し、すでに一部は施行されています。

◆特例法の趣旨

この特例法は、大学の教員等で、5年を超えるようなプロジェクトに関わる有期契約労働者についても、5年経過時点で無期転換申込権が発生してしまうと、5年を超える前に契約を打ち切らざるを得ず、雇い続けることができないという現場からの声に対応して立案されたものです。

特例法により、一定の要件を満たす大学の教員等については、無期転換申込権にかかる年数要件が「10年」とされました。

◆さらなる改正に向けた動き

現在、厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会有期雇用特別部会)において、高度な専門職に就く高収入の有期労働契約者で一定の期間内に終了すると見込まれる事業(オリンピックの開催準備等)に従事する者等について、5年経過時点で無期転換申込権が発生しないこととする「有期雇用の特例」作りが検討されています。

同省では、この結果を今年3月上旬までに労働契約法の改正案としてまとめ、1月24日に召集される通常国会に提出する方針です。

特例の対象には高年齢者も含まれる見通しですので、企業にとってはさらなる就業規則等の見直しが必要となる可能性もあることから、今後も動向を注視する必要があるでしょう。

◆4社に1社は退職一時金・退職年金「なし」

昨年11月発表(厚生労働省)の「就労条件総合調査」は、常用労働者数30人以上の企業を対象に調査を行い、4,211社から有効回答を得てまとめられています。

同調査では、前回調査以来5年ぶりに退職金の支給状況に関する調査が行われましたが、それによれば、2008年当時は83.9%の企業が退職給付制度ありと回答していたところ、今回は75.5%まで減少しています。

◆「退職一時金制度のみ」が大幅増

制度の形態別にみると、2008年当時は31.9%あった「退職一時金・退職年金を併用」する企業が22.6%へと大きく減少し、「退職一時金制度のみ」とする企業が55.3%から65.8%と、大きく増えました。

支払準備形態については、退職一時金制度がある企業では「社内準備」とする企業が64.5%で最も多く、次いで「中小企業退職金共済制度(中退共)」が46.5%でした。

一方、退職年金制度がある企業では「厚生年金基金」(44.8%)が最も多く、確定拠出年金(企業型)の35.9%と確定給付企業年金の35.6%は僅差でしたが、今後は、厚生年金基金制度の見直しが進むにつれ、状況が変化する可能性があります。

◆支給額も大幅減

勤続35年以上の定年退職者の退職給付額は、大卒者が2,156万円(前回比335万円減)、高卒者(管理・事務・技術職)が1,965万円(同273万円減)、高卒者(現業職)が1,484万円(同537万円減)で、いずれにおいても支給額が大きく減少しました。

◆これからの主流は「確定拠出年金」?

一時は「確定拠出年金の6割が元本割れ」との報道もなされましたが、2013年9月時点にいて、株価上昇等により、98%の加入者が元本割れの状況を脱し、通算の運用利回りの平均は年率で3%台に回復しました。

2014年度の税制改正においては拠出限度額の引上げについて検討が進められていますが、税制上の優遇措置もあることから、今後、厚生年金基金制度の見直しにより、確定拠出年金へと移行するケースが増加する可能性もあります。

退職給付制度のある企業においては、メリット・デメリット双方に関する情報収集が必要となるでしょう。

 

「配偶者控除」縮小を検討 政府

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政府は、専業主婦がいる世帯の所得税を軽減する「配偶者控除」の見直しを検討する考えを示しました。

政府は成長戦略の柱として「女性の活用」を掲げており、専業主婦に有利な制度を改めることにより、働く女性を税制面から支援するねらいのようです。

内閣府は、2060年までの労働力人口予測を発表し、今後約50年で労働力人口が1,170万人減少する試算結果を発表しました。

女性の労働力の活用が進まない場合には減少幅はさらに広がり、2,782万減少するとしています。

政府は、改正労働安全衛生法案を11日に閣議決定し、13日に国会に提出しました。

従業員50人以上の事業所に対してメンタルヘルス対策を義務付ける内容です。

すべての従業員を対象に年1回のストレス検査を実施し、希望者は医師による面接指導を受けられます。

中小企業の負担を考慮して50人未満の事業所については努力義務にとどめたようです。

◆4月から制度スタート

仕事と子育ての両立支援を図るため、産前産後休業(原則、産前42日・産後56日)を取得した場合、育児休業の場合と同様に社会保険料の免除が受けられるようになります(被保険者分および事業主分)。

この制度の対象者は、今年4月30日以降に産前産後休業が終了となる方で、4月分以降の保険料から免除の対象となりますので、社内で周知しておくことが必要でしょう。

◆書類の提出時期・提出先

事業主による届出書類の提出時期は「被保険者から申出を受けた時」、提出先は「事業所の所在地を管轄する年金事務所」とされています。

今後公表される「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」を、「窓口への持参」「郵送」「電子申請」のうちいずれかの方法で提出します。

なお、添付書類は特に必要ないとのことです。

◆標準報酬の改定

産前産後休業終了後に報酬が下がった場合、産前産後休業終了後の3カ月間の報酬額を基にして、新しい標準報酬月額を決定し、その翌月から標準報酬が改定されます。

この場合、会社が「産前産後休業終了時報酬月額変更届」を提出しなければなりませんが、産前産後休業を終了した日の翌日から引き続き育児休業を開始した場合には提出することができません。

◆その他の留意点

被保険者が産前産後休業期間を変更したとき、または産前産後休業終了予定日の前日までに産前産後休業を終了したときは、事業主は速やかに「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出する必要があります。

育児休業期間中の保険料免除期間と産前産後休業期間中の保険料免除期間が重複する場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。

【厚生労働省】産休期間中社会保険料免除に関するリーフレットはこちら↓
http://www.nenkin.go.jp/n/data/service/000001674194EWe5gfHi.pdf#search='%E7%94%A3%E4%BC%91%E6%9C%9F%E9%96%93%E4%B8%AD%E3%81%AE%E4%BF%9D%E9%99%BA%E6%96%99%E5%85%8D%E9%99%A4'

平成26年3月1日より、キャリアアップ助成金の一部のコースの助成額などが拡充されました。

◆正規雇用転換コース 40万円→50万円

◆短時間正社員コース 20万円→30万円

詳細は、以下厚生労働省のリーフレットをご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/dl/careerup_leaflet.pdf

「労働移動支援助成金」が今年3月から大幅に拡充されることが明らかになりました。
現在は転職成功時に限って支給される助成額(上限40万円)を1.5倍(同60万円)に増やし、転職先を再就職支援会社に依頼するだけでも10万円が支給されます。
利用対象企業は大企業にも拡大されます。

厚生労働省 労働移動支援助成金 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/roudou_idou.html