2015年1月アーカイブ

◆経産省「個人情報保護ガイドライン」を改正
昨年、ベネッセコーポレーション等の有名企業における個人情報漏洩問題が頻発しましたが、経済産業省は、同様の事案の再発防止に向けて、個人情報保護法で規定された事業者の義務を具体化・詳細化した「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」を改正しました。
これにより、事業者における個人情報保護の適正な取組みの推進、国民の個人情報の保護に関する意識向上を図るとしています。 

◆主な改正点
本ガイドラインの主な改正点として、以下の点が挙げられます。
(1)第三者からの適正な取得の徹底
(2)社内の安全管理措置の強化
(3)委託先等の監督の強化
(4)共同利用制度の趣旨の明確化

◆個人情報保護法も改正案が提出予定
上記の動きとは別に、個人情報保護法についても2015年の通常国会で改正案が提出される予定となっています。改正案の骨子が「パーソナルデータの利活用に関する制度改正に係る法律案の骨子(案)」(2014.12.19)として示されましたが、以下の内容等が盛り込まれています。
(1)個人情報の定義の拡充
(2)個人情報の利活用のための環境整備
(3)個人情報保護を強化するための環境整備
(4)個人情報保護委員会の新設

◆企業は個人情報管理の見直しが必要に
上記骨子案によると、取得した個人情報の利用目的を変更する場合の規則の緩和等、個人情報を保護するだけでなく、ビッグデータなどで個人情報を利活用するための環境整備について規定されています。
一方、個人情報の定義が従来よりも広がり、例えば身体の特徴をデータ化したもの(指紋データ、顔認識データ等)や個人に付与される番号(携帯電話番号、運転免許証番号等)も個人情報とみなされることとなります。
また、第三者提供について確認や記録の作成の義務付け、取り扱う個人情報が少量である場合の個人情報取扱事業者からの除外規定の削除等、注視が必要な内容となりそうです。
近く「マイナンバー制度」の導入も始まりますので、企業は今後ますます個人情報の取扱いについて対策を迫られる必要が出てくるでしょう。

◆経団連「採用選考の指針」
2016年度新卒採用は、広報開始が3年生の3月以降、選考開始が8月以降と定められ(いずれも経団連「採用選考の指針」による)、従来よりも広報は3カ月、選考は4カ月遅れる内容となりました。
ただ、各社の対応を見ると、指針を順守せずに選考を開始する予定の企業は多いようです。
また、広報開始時期より早く学生への接触(インターンシップ、学内セミナー、大学とのコネクション作り等)を行うこととしている企業も多く見受けられるようです。
政府は学業時間の捻出や留学の促進等を図ろうとしているものの、企業としては優秀な人材を確保するため、指針に沿うことなく早期に動くという対応を取らざるを得ないというのが現実のようです。

◆中小企業における懸念事項
人手不足により人材確保競争が激しくなっており、中小企業ではただでさえ採用活動が長引いています。
そんな中、選考開始時期が遅れることで大手企業と中小企業の採用選考期間が重なり、中小企業と学生の出会いがますます減少することが予想されているほか、採用活動がバッティングすることで内定辞退が増加する、採用時期がずれ込むことで社内業務と新たな調整が必要となり採用活動に割くための社内の人員が不足するなど、様々な懸念があります。

◆先を見据えて講じておきたい施策
新卒採用については、多くの中小企業では、大手の内定が出揃う10月以降が勝負となりそうです。
新卒採用を成功させるためには、採用目標を立てる際に目標に達しない場合の対策も講じておくとともに、内定辞退防止のための施策、新卒が辞めない組織作りなどといった取組みも積極的に行っていく必要があります。

2015年上半期施行の主な改正事項

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新しい年の幕開けですね。気持ちも新たに1年間がんばりたいと思います。
本年も、より一層のご支援を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。

◆労働法関連

今年4月1日より、「雇入れ時・契約更新時の労働条件に関する説明義務化」や「正社員との差別的取扱いが禁止される労働者の範囲拡大」等を内容とする改正パート労働法が施行されます。

また、6月1日より、重大な労働災害を繰り返す企業に改善計画を提出させるほか、その指示に従わない企業名公表等を内容とする改正労働安全衛生法が施行されます。

なお、同改正によるストレスチェック制度導入は12月1日です。


◆労働保険関連

4月1日より、労災保険率が全54業種平均で4.8/1000から4.7/1000へと0.1/1000引下げとなります。なお、一人親方等の特別加入に係る第2種特別加入保険料率、海外勤務者の特別加入に係る第3種特別加入保険料率も改定されます。また、労務費率の改定、請負金額の取扱いの改正および労務費率の暫定措置の廃止も、同日施行されます。

なお、雇用保険料率は据置きの方針で、一般13.5/1000、農林水産清酒製造15.5/1000、建設16.5/1000です。


◆助成金・奨励金関連

2月より、「中小企業両立支援助成金」に育休復帰支援プランが新設され、「育休復帰プランナー」による支援のもと「育休復帰プラン」を策定・導入し、対象労働者が育休を取得・職場復帰した場合に助成金が支給されることとなります。

このほか、「キャリアアップ助成金」、「トライアル雇用奨励金」、「労働環境向上助成金」、「キャリア形成促進助成金」、「建設労働者確保育成助成金」等の改正も見込まれています。


◆社会保険関連

健康保険関連として、1月1日より、高額療養費制度が改正(70歳未満の所得区分が細分化) されています。

年金保険関連として、昨年4月分から実施されている年金額の特例水準解消について、残る0.5%分の解消による改定が4月分より行われる予定です。なお、年金額は1月末に公表される全国消費者物価指数の動向により決定されます。


◆その他

4月1日より、法律の有効期限の10年間延長等を内容とする改正次世代育成支援推進法が施行されます。また、労働・社会保険関連の電子申請システムについて、従業員データの入力作業の省略が可能となる等、4月より利便性向上が図られる予定です。